そうとは限りません。
外国語習得に強く関与するのは、開始年齢より、動機、努力それと情熱です。 小さい時からやらされて、すっかり英語ぎらいになった子をたくさん見てきました。 英語以外の外国語は、たいてい大学に入ってから始めます。 それでも、個人差はあれど、そこそこ使えるようになります。
外国人で日本語の堪能な人をたくさん知っています。 その人達の多くは、10代になってから、あるいは大人になってから、必要に駆られて日本語を学んだ人達です。 子供のころから日本語を学んでいたわけではありません。
さて、ちょっと待ってください。
6年間といえばずいぶん長いように聞こえますが、 中高6年間あわせて英語の授業時間を合計すると約800時間ほどです。 英語圏で暮らし、一日8時間英語に触れていたと仮定すると、たった3ヶ月ちょっとです。 6年間も勉強したのに……と言えるでしょうか?
自分の勉強法に問題はありませんでしたか。 先生の言われるとおり、家庭学習や復習をやりましたか。 CDをきちんと聴いて、音読をしたでしょうか。 単語や熟語、構文をそこそこ覚えたのでしょうか。
国際人というのは、英語だけの問題ではなく、それぞれの文化、個性を尊重しつつ、
必要な場所では、きちんと自己主張ができることが必要です。
環境や人に対する優しさは言うまでもなく、文化に対する誇りや、
善悪や責任に対する毅然とした態度など、多くのことが含まれるでしょう。
英語も話せるだけでなく、今は e-mail やラインの時代ですから、書けなければ不自由でしょう。 書くためには相手が何を書いているのか、瞬時に正確に理解する力も必要です。 お喋りも商談も,きちんとした writing が必要です。
人によりますし、英語圏に住んでいたのであれば、ある程度できるかも知れません。 しかし、過度な期待や、思い込みは禁物です。 また英語に触れないと、急速に忘れます。 年齢が低いほど忘れる速度が速いようです。
日常会話はできても、英文が正確にが書けない人が多いです。 しかし、正しい発音やリスニングの力は一生の財産です。 なかなか廃れるものではありません。
残念ながら英語が読めるとは思えません。 たとえ読めても遅い。時間がかかりすぎます。
TOEFL, TOEIC で点数が取れていないのは、リーディングセクションです。 訳をさせても、誤訳が多い。 自分はこうだ、と思って読んでいても実はそんなことは書いていないのです。 勘違い、読み違いです。
英語が「読める」とは、普通の速さでピリオドまで読んだ時に、内容がほぼすべてわかるということです。 ゆっくり分析しながら、行きつ戻りつ、日本語を組み立てるのは「和訳できる」で「読める」とは違います。 本当に読める人は少ないはずです。
リスニングも不得意な人が多いですが、アジア諸国と比べて、リーディングほどは低くありません。
文法ばかり気にしていては話せないのは事実です。 間違っていても良いから、とにかく単語だけでも発話するのは大事なことです。
しかし、話せない事を文法のせいにしてはいけません。
外国語を文法なしで学ぶことはできません。
"He don't know" でも通じると開き直ったり、
冠詞や前置詞がめちゃくちゃでも平気なようでは、上達は期待できません。
さて、内容はどうでしょうか?
話は内容が充実しているかどうかが肝心なのであって、 流暢さだけが大切なのではありません。
中身がうすっぺらな会話では、 楽しく深い話はできません。
受験英語は大切な資産です。
受験英語で培った単語力、 語法、構文の理解力は、将来大きな助けになります。
受験英語には必要だったが、実際はあまり使わない表現もあります。
しかしそんな、若干のマイナス部分より、プラス部分のほうがずっと大きいのです。
関係詞の省略や、助動詞の使い方など、大切な事がたくさんあります。
受験英語を軽視してはいけません。
「英語の達人」と言われる人の多くが、学校英語を大事にしていました。
色々改善すべき所はありますが、学校英語を軽視してはいけません。
どんなネイティブかによりますが、 そんなことをするより、 音楽に親しむ事を勧めます。
音楽で鍛えた耳を持つ人は、英語独特の音を聞き分けやすくなります。 楽器を習うほうが、 賢い選択だと思います。 また英語の発音は腹式呼吸が必要なので、歌、演劇などもよい影響があります。
日本語の語尾ははっきりしていますか。
まず母国語です。
日本語があいまいなのに、英語の発音の上手な人にはお目にかかったことがありません。
和訳をしないのが、最近はやっているようですが、お勧めできません。 読めていないのに読めたような気になり、内容が正確に理解できません。 流行の「速読」「多読」などに偏らず、きちんとした和訳ができるようにするべきです。 わからないまま適当に「速読、多読」しても「誤読」するだけです。
速読も多読も必要ですが、訳せないものは分かっていないのだ、と悟るべきです。
それも一つの方法で、大事なことではあります。
しかし、アメリカ人と結婚して、20年以上経っても、まだ、たいして話せない人もけっこういます。
I no speak English. I didn't happy. のような、めちゃくちゃ英語も、 なんとなく分かってもらえるので、 そのまま使ってしまいます。 誰も直してくれませんし、自分でも通じた気分になります。
ネイティブスピーカーと話して伸びる人は、文法がしっかりしていて、英作文がある程度正確にできる人です。 基礎がないと、単語を並べることばかり上手になり、きちんとした内容が伝わる英語になりません。 度胸だけついて、いつまでも broken English、のままになってしまいます。
ありえないでしょう。
場所をかまわず、仲間同士で大声でおしゃべりをし、
下手な歌を人前で歌い、公衆の面前で化粧する人を恥ずかしがりと言えますか?
英語が話せないのは、英語の力不足です。
英語がすぐ口をついて出てこないのは、最初を何で始めたらよいか分からないからです。
日本語では主語をよく省略するので、英語で何を主語にするのか分からない場合が多いのです。
また、質問する場合、Are you, Do you, Did she, Was she, Would you, Should we, など、
どれなのか迷ってしまうからです。
簡単な質問を自分で作る練習が足りないからです。
この単純な演習がほとんどされていない。だから最初のひと言が出ないのです。
しかし、疑問文を作らなくても、普通の文の語尾を上げていうだけで、会話なら疑問文として使えます。
You went there alone? (Did you go there alone? としなくてもよい) 取りあえずしゃべる、ならこれで十分です。
とにかく、恥ずかしがりとは関係はないのです。
今でもこんなことを言っている人がいるなら驚きです。 日本では、子どもでも日本語をしゃべるので、外国人が日本語を話すのは簡単だといえますか?
母国語と外国語の習得はまったく違うもので、 その過程や方法も、もちろん違います。 比べるものが間違っているでしょう。
「最高の」というあたりが本当ではありません。
一つの補助教材ではあります。
映像があると、言葉はわからなくても何割かは理解できるわけです。
英語理解とはあまり関係がないのです。
音声を使うなら、CD、ラジオ、あるいはその他音源だけの物、
ニュース解説、スピーチ、すなわち映像の無いものを聞いて、理解する。
これができれば本物です。
映画、DVD は楽しく、有益な部分もたくさんありますが、 それだけでリスニングの力や英語の総合力がつくとは思いません。 しかし、映像を見て文化、社会、その他いろいろな事がわかります。 一応2時間ほど、英語だけの世界に浸れるのですから、よい機会には違いありません。